3Dプリント二等輸送艦を作る(8) 中甲板上部構造

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煙突周りを含めた中甲板の上部構造を作ります。
103型輸送艦を作る上で最も不明瞭な部分です。
上の写真は弓削島沖を過負荷全力運転公試中の第151号艦だそうです。


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中甲板は両舷にボートが載っているため、ほとんどの写真で奥が見えませんが、煙突の前後に通気筒が出ているのがわかります。
煙突前の通気筒もわりと写真に写っていますが、これを作っている模型はまだ見たことがありません。
また、中央の建屋と煙突の間は隙間があって、独立していることがわかります。
写真ではこの程度のことしかわからないため、煙突下部のほとんどの部分は図面から読み取った吾輩の解釈によるねつ造になります。


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以上を踏まえて、図面を見てみると、きっちり通気筒が描かれているのがわかります。
煙突後ろは、ENGINE ROOM VENT(機関室通気筒)で、中央より右にオフセットされています。
煙突前の方は、説明も上面図での位置も記載されていませんが、位置的にボイラー室の通気筒であると思われます。


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次に煙突です。
煙突は二つのボイラー(ホ号缶)が束ねられていて、艦首側のボイラーの煙突は船橋楼の中を通って後ろの壁から突き出る形になっています。


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これをモデリングした煙突の断面図です。
船橋楼の中までは見えないので作っていません。
ナイロンの粉を抜くために下側まで穴を貫通しています。


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次は最初に示した通気筒です。
機関室の通気筒は右にオフセットされているので、上面図では下側の穴であると思われますが、
缶室の通気筒は位置的にはこの二つの穴あたりですが、二つのボイラーは独立した部屋なのか、なぜ二つなのかよくわかりません。


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図面の構造から推測した吾輩のねつ造モデリングです。
缶室の通気筒は、穴は2個ですが、口は一つなので煙突をまたぐ門のようになっています。
とっても奇妙ですが、これには理由があります。


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左舷側から通気筒が見える写真です。
奇妙なことに、煙突横から立ち上がっている管が、なぜか中央にオフセットされているのがわかります。そのまま真っすぐでもいいと思うんですけどね。


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これを再現したのが、あの奇妙の門の形です。
右舷側の見える写真がまったく見つからないので、もしかすると左舷しかなく、門にはなっていないのかもしれません。しかし、穴は2個あるのでとりえず奇妙でもこの形で造形しています。

これを見て構造を把握して、もう一度上の実艦の写真を見ると、下の黒い部分の中に、前甲板に通じる通路や、上に上がるラッタルが見えてるくるのが不思議です。


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次も図面に説明書きがありませんが、これは間違いなくボイラーの吸気筒でしょう。
ボイラーが二つあるので、管の穴も必ず二つあるはずで、上面図で斜めにオフセットされて出ているのがそうだと思われます。


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これは一等輸送艦の写真です。同じくボイラー2基の構造で、二つの煙突の管路の間の隙間にボイラーの吸気口が開いています。
これは駆逐艦などでもよく見られる構造です。


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以上を踏まえて、前側のボイラーの管路です。本来なら口の部分も二つに分かれているはずですが、0.8mm制限上つけると穴がほとんど無くなってしまうので、間の部分ははしょっています。

ここの右側には部屋が二つあります。
103号型の図面には説明がありませんが、101号型の図面にはCOMM OFFICE(通信室)、FOOD STORES(食糧庫)とありますが、103号とは位置関係が逆になっています。
煙突の熱の関係で逆になっていると想像しましたが、そうすると食糧庫が熱にさらされることになるので、部屋の用途は不明です。
部屋ではなく、艦橋楼から左右両舷どちらへも出られるようになっているだけの通路な気もします。


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後ろ側のボイラーの管路。こちらは下から出ています。


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この二つはボイラー室に降りるハッチだと思われます。


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前甲板のハッチと同じものを設置しました。
どちらもラッタルの下に配置されているようです。


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そして、解釈できずに残ったのが、この二つの丸です。
左側は真下が燃料タンクや水のタンクなので、それ用のパイプスペースか?とかちょっとは想像できますが、右側のものはもうさっぱりです。
この右側のものは101号型の図面にも書かれているので、ボイラーには関係ないものであるのは確かです。
追記:
左側は機関室の降り口の穴でした。


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次は図面には書かれていませんが、中央のアイランドに渡る通路です。
元々は、この上にはメンテくらいしか上る必要ない場所なので、モンキーラッタルでもついていればよいだけの場所だったはずが、ここに25mm機銃が2基増設されたため、給弾などの導線が必要になり通路が付けられたのだと思われます。


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この部分に通路が見えます。


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これは台風で沈んでしまった第175号艦が引き揚げられたときの写真だそうです。
後ろの通路がよく見えます。


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以上、図面と写真と吾輩の解釈でモデリングを行いましたが、この部分は、図面も写真も何も情報が無い完全な空白部分です。
すっぱり切れてますが、どうにもなりません。


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(『アメリカ人の見た日本50年前 1995年 毎日新聞社発行 より引用)
これは、博多についた釜山からの引き上げ船の様子だそうです。
ものすごい数の人がのっています。


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ものすごい数の人がいったいどうやって乗っているんだという写真ですが、そんな中、人が乗れていない場所が煙突横にあります。
なぜか白く光を反射している斜面で、斜面であるため人が乗れないのでしょうか。
右舷側の唯一の手掛かりですが・・・さっぱりわからねぇよ! orz


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ということで、現状、吾輩が調べた上でねつ造した構造はここまでです。
詳しい人が見るともっと違う解釈があるかもしれません。いや、きっとあると思います。間違いない。