3Dプリント二等輸送艦を作る(6) 船体下部

船体下部を作ります。
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しかしながら、米軍図面には正面図がなく、船ってやつは基本的に水の上に浮いているので、下側が見える写真がこれ1点しかありません。
(上の写真は終戦後に台風で門司の海岸に打ち上げられてしまった第163号艦だそうです)
その写真も残念ながらこのぼんやり具合なので、もう心の目でとらえるしかありません。
というわけで、この部分は吾輩のねつ造です。


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適当にねつ造した線からサーフェースを作ったものです。
基本的に箱型船型ですが、下の角はちょっとだけ丸まってるだろうという吾輩の美的願望です。
追記:
第11回記事にこの部分の訂正があります。

今回は単純な形なので、シェル化を使ってみます。
まずは、これの上側にも面を作って閉じたサーフェースを作ります。


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閉じたサーフェースができたら、『組合せ』を使ってソリッドに変換します。


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できたソリッドの上の面に対して『シェル化』を使えば、あっという間にくりぬいた形の完成です。
0.8mmでくりぬいています。


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前後の部分は薄っぺらくなるので、上部の形状に合わせてつなぎ目を調えれば完了です。
簡単なので、やっぱ上も一緒にシェル化しとくんだったと、ちょっと後悔。


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スケグのモデリング
形状は図面の通りですが、厚みはわからないので適当。
スケグは船の直進性を高める役目と、ドック入りしたときに重量を支える役目を持っています。


船首の下部には2本の肘材がありますが、幸い肘材はわりと鮮明な写真があります。
肘材には沢山の穴が開いているのが見えます。
おそらく2本の肘材の間の部分は波の圧力が抜けず、船体がもろに衝撃を受けてしまうため、その圧力を両サイドに逃がすための穴なのではないかと考えています。
船としての性能を考えると1本にこしたことはないですが、ランディングしたときに船が傾いては困ることを優先した苦肉の策なのでしょう。

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とりあえず、図面の通りに側面形状を厚み1mmの板で作成。
下部の色が赤いですが、これはただの水平ラインで喫水ラインではありません。
実はこの艦の喫水ラインは水平より後ろ下がりとなっています。
前半分が空っぽの格納庫なので、後ろ下がりの重心は仕方のないところです。


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上の進水式の写真を、吾輩の勘ピューターが解析した結果は『15度の傾斜』だったので、板の両面に15度の厚みを付けました。200%のねつ造です。


ちょうど正面からのビューなので、ビルジキールのはなし。
二等輸送艦にはビルジキールがありません。
ランディングするからビルジキールがないんだと書いている本もありますが、それ以前の問題です。
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(『軍艦雑記帳下巻』 森恒英 著 株式会社タミヤ 発行 より引用)

上の図のように、ビルジキールは船の側面、船底ベースラインからでないように作ります。側面から出っ張っていると岸壁にぶつかって壊れますし、下から出るとドック入りできません。
箱型船型だとビルジキールを配置するそんなスペースがまったくないのであります。


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ということで、吾輩のねつ造船体下部の完成です。

しかしここに来て、データが、なにをやっても船体上部と下部のソリッドが合体しないという状態に陥っております。
変なところでソリッドがわかれていて、奇妙な色分けになってます(^^;
ナイロンによる3Dプリントは1ソリッドになってなくてもOKなので、まあ最悪このままでもいいかな。プリントすりゃくっつくし。


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いい絵です。
船体に関してはできた気になってきますな。
でも内部のラジコンメカ配置という地味でめんどくさい仕事が残っているんですよね(^^;;;
地味なところは後回しにして、上部に行くか、このままやりきってしまうか、それが問題だ。
仕事なら間違いなく、後者なんですけどもね。