3Dプリント二等輸送艦を作る(11) 一般艤装図・完成図

呉市海事歴史科学館大和ミュージアム)に行って、二等輸送艦の図面を入手してきました。(勝手に公開できないので写真はモザイクがかかっております)
大和ミュージアムで保管されている図面は次の二つです。
第133号特設輸送艦 一般艤装図(1/2) (船内側面及上甲板平面)完成図
第134号輸送艦 一般艤装図(2/2) (下甲板以下諸平面及諸要部断面)完成図

断面図まであって、いろいろわかっちゃいました。
わかりたくなかった部分もあったのですが、わかっちゃったものは仕方ないのでいろいろ修正作業を行います(^^;


イメージ 1
米軍図面で中甲板に描かれていた箱は機関室の天窓でした。
蓋の形状まではわからないので、他の艦のものを参考にそれっぽくモデリング


イメージ 2
船尾楼の前に二つ並んでいた穴は両方とも機関室の出入口としていましたが、片方は機関室の排気路の穴でした。
米軍図面は書き間違えていて、下側の穴と上側の排気口の位置がずれていたため謎状態になっていましたが、実際は真っすぐ上につながっていました。

計画図では内開きになっている船尾楼入口の扉は完成図では外開きになっているので、ヒンジをつけました。


イメージ 5
煙突周りの穴は吾輩の想定通りでした。
煙突と中央の建屋の間は通路と記載されていて、こちらも予想通り煙突は独立していました。
謎だった、機関室吸気路の穴の隣の穴は機関室に降りる入口でしたが、建屋の中なのでモデリングには影響なし。その入口のある部屋は糧食倉庫だそうです。
さらに隣の部屋は石炭倉庫となっています。


イメージ 3
滑り止めは図面上では、前甲板の上り斜面、艦橋横の三連装機銃の床面、後ろ甲板の8cm高角砲の部分となっておりましたので、機銃部分にも追加。
米軍図面では高角砲の部分はわざわざ八角形に床板が敷いてあるように描かれているので、その部分はそのまま板でいきます。


イメージ 4
断面図があったので、船体は完全な箱型であると確定しました。
証拠がないからいいじゃない、とちょっと丸くしてたのを修正です。
修正、というかほぼ作り直しでえらい手間がかかりました(^^;;;
恰好悪くなっちゃいましたが、仕方ありません。

肘材は写真から勘ピューターで傾斜15度(30度のV字)と割り出していましたが、なんと、ぴったりでした。
勘ピューターすげぇ~(笑)


最後に図面について
二等輸送艦の図面は、米軍図面、原書房艦艇図面集の計画図、大和ミュージアムの完成図の3種類を参照しました。
101号型に関しては、米軍図面と原書房の計画図は同じもので、計画図を米軍がトレースしたものと思われます。
問題は103号型。
原書房の計画図と米軍図面は内容がまったく異なるものです。
原書房の計画図は103号に関しては中央部しか掲載されていません。
また、「計画図」なのになんで後から拡張したの機銃や通路の増設後の姿が描かれているのか甚だ疑問ですし、101号の図面と比べて情報量が少なすぎる気がしますし、完成図に対しての差異も多すぎて、本物なのか、かなり疑問になるレベルです。
二等輸送艦に関する限りは、原書房の艦艇図面集は参照する必要はなさそうです。