みんなdeクエスト10周年(3)

みんなdeクエスト ~虹色の夜~』のおもひで。
登場キャラクターとその種族について思い出してみましょう。

ファンタジーの世界ではたいてい種族とは色が白いとか黒いとかそういう人種のことではありません。
人種は、違うとはいっても所詮ホモサピエンス、優劣なんて同じ人種内のばらつき以上の差などありはしません。
しかし、ファンタジーでの種族は神と人間のような開きがあったります。
MdQでは(人間から見て)強力な力を持った種族を芯属と呼び、13の芯属があるとされております。

◆地母種・ニルフィエ
『虹色の夜』のキャラといえばまずはリトゥエさん。
リトゥエはニルフィエと呼ばれる種族です。
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ニルフィエは、己の存在概念が「現実世界」に完全に縛られているという、芯属の中ではかなり特異な種族です。
この世界が生み出した抗体種とも言われています。
自然の営みを護ることを至上とし、自然の化身である妖精達の頂点として君臨。
過去のいざこざから『芯なる者』達とは全般的に仲が悪いようです。
それぞれが管理する地形により系譜が異なり、系統ごとに独立した秩序でもって行動します。
系統固有の属名を持っており、以下、例としてあげると、
 海を司るネレイド。
 池や泉を司るネイアード。
 山地を司るオレアード。
 森を司るエルセイド。
 樹木を司るドリュード。
 谷を司るナファイア。
等々。これに照らし合わせると、エルセイドのニルフィエである『月夜に咲く女王』は、森という概念を守護する地母種であることが判ります。
ニルフィエは、姿形に多少の差異はありますが、その全てが女性の姿を模すのが特徴です。
総数は多く、『芯なる者』が去った現在では彼女等が最も存在数の多い芯属となっています。
世界概念の癌である『鬼種』や『大禍鬼』を統べるエンシェント『鬼芯属』と対をなしています。

◆芯なる者・エルデューム
お次は、見た目は幼女、中身はババアのマレーネさん。
マレーネは芯なる者と呼ばれる種族です。
マレーネ以外の芯なる物が登場しないため幼女姿なのがマレーネの趣味なのか、芯なる者の特徴なのかはわかりません。
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芯なる者は、世界構造の根本部に干渉する『象形』の技を地母種から盗み、より高度、万能なものへと昇華させて、その力で古の時代に栄華を誇った一大芯属です。
殆ど人間と変わらぬ姿形ながらも、振るう力は人とは比べ物になりません。
他の芯属と違い探究心旺盛な種族で、己が興味を持った出来事には積極的に接します。
故に、比較的己の種族以外との交わりを嫌う他の芯属達とも交流をもちました。
ですが、ある時期を境に彼らはこの世界から消え、現代ではその姿を見たという者は殆ど居ません。
その理由についてはゲームのメインシナリオにて語られているところであります。

◆夜の芯属・ルーヴェン
お次は、エルドリヒ・ルーヴェンさん。
エルドリヒの眷属さんは、あっち方面では伝説となってしまったようですが、これが本来の立ち位置であります。
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夜の芯属は、名の通り、夜と闇を己の存在概念として内包する芯属です。
他の生物の概念を啜って現世界に擬似的に顕在化する存在故に、他の芯属と違って自分以外の種族に対して酷く攻撃的です。
芯属としては新参であり、少数であり、異端。
その攻撃的性質を危険視され、『夜の芯属』は『芯なる者』達の力でルーヴェンズ全員が存在概念ごと封じられて、『奈落』に放逐されています。

◆古賢属・エルアルーダ
お次は、イェハルーダさん。
ゲーム中では何がしたいのかよく分からないお方です。
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賢人種の原型と呼ばれる芯属──なのですが、実際の古賢属の外見は千差万別であり、人型の者もいれば獣型の者、果ては無形や身体自体を持たぬ者もいます。
『古賢属』は、種族名というより『古賢属』の証となる共通概念を持つ者達の総称です。
賢人種は、彼等のうちで最も(芯なる者達の間で)有名だった人型の古賢属、イェハルーダ氏族をモデルに作られたとされています。
本来は他の概念世界で生まれた存在であり、十三芯属のうち最も年老いた芯属です。

以下、他の芯属を適当に

◆彷亀種・バハリット
賢者達の間でも眉唾モノと考えられている、とある仮説に登場する芯属です。
世界にある大陸の根にはそれぞれ巨大な海亀バハリットが眠っており、大地は彼等の背の上で作られている。
彼等が一度身じろぎすれば大陸は海を進み、彼等が一度起き上がれば大陸は海の藻屑と消える、というものです。

◆鬼芯属・ヴァルラギータ
世界に在るすべての存在から生じる『澱み』や『濁り』といった陰の概念の蓄積により誕生する、現世界という概念から生まれる唯一の対世界概念存在です。
世界を護ることを使命とする『地母種』とは反対に、世界にあるすべての存在への攻撃、破壊を至上の目的としています。
総数は芯属の中でも極めて少ない部類に入りますが、単存在での戦闘力は正に驚異的であり、素芯十三種属中で最強とされています。
更に、その性質故に『奈落の子』や『外なる者』の攻撃的性質を持つ外存在を受け入れ(または取り込み)やすく、こうなると手がつけられません。
が、極度に特化された攻撃性は鬼芯属自身の存在すらも破壊してしまいます。
(このとき、己が手で滅した『鬼芯属という存在』の残滓から生まれるのが
「大禍鬼・ヴァルラカーン」と呼ばれる者達です。
ヴァルラカーンについては『芯海の楽園』のシナリオで語られております。

さて、上記のように存在自体に時限が施されている鬼芯属ですが、存在中に巻き起こす害は凄まじく、それを最小限に留める為に(自らに降りかかる災厄を払うべく)この世界に暮らす芯属達は(珍しく)団結し、彼等の滅殺に力を振るいました。
『芯なる者』達がまだ現世界で暮らしていた頃は、彼等は自らが操る『象形』や『芯形機構』等を用いて世界構造の改変などの大小様々なアクションを起こしていたため、その反動により『世界の澱み』も増加。『鬼芯属』の発生率や存在強度も凄まじく、そのため、彼等を抑える役割である『地母種』は、『鬼芯属』の糧を生み出す芯なる者達を忌み嫌いました。
芯なる者達が現世界を去ってからは、鬼芯属は確認される事自体稀となり、人間達の間では鬼芯属という存在を知る者も少なくなっています。

◆芯竜属・バイア
竜種の原型とされる芯属です。外見はドラゴンとは多少異なり、より鳥類的な、見る者に優雅な印象を与える姿をしている者が多いとされています。
彼等の操る、世界の在るべき形を作り替える吐息は、『地母種』や『芯なる者』達が使う『象形』が生み出す力の原始的な姿です。
単存在であれば鬼芯属に次ぐ力の持ち主ではありますが、それでも『象形』と『芯形機構』を操る『芯なる者』には遅れをとります。
知能はそれなりにあり、芯属らしく結構まったり思考な連中が多く、基本的には善良です。
芯属にありがちな、他存在に対して不干渉を貫くタイプです。

◆翆獣種・コーリオン
世界の中で流転する生命の流れ、『命脈』を守護するとされる、三本足の美しい獣です。
翆獣種はオールズワン、つまり個体という概念がなく、総ての翆獣種は『命脈』より派生する、存在の一部であるとされています。
『地母種』に近い存在ですが、こちらのほうがよりプリミティブな存在です。変身能力を持ちます。

◆越翼種・フォズドフェイズ
概念世界遊泳種。世界の境界はおろか、時間や空間の繋がりすら無視して只々飛びつつける奇妙な芯属。
外見は滑らかな流線型。強力な空間転移能力を持ちます。
元々は『奈落の子』に近い存在であったとされていますが、進化か退化か、今の彼等には存在概念に対する侵食欲求も破壊欲求もなく、ただ『空』をゆらりゆらりと漂うのみです。

◆象神種・オールズ・オー・マーダ
芯属のなかでは最も新しく、そして不確定な種族。単なる無目的な力の概念だった筈が、現世界に存在する者達の思念を受けて擬似具象化、現世界での存在概念が確立されてしまった者達(つまり神々)を指します。
厳密に言うとそれらは生物でなく、本当に存在しているのかどうかもあやふや。
故に、そんな彼等を表す『象神種』という分類の括りは、古賢属よりも不確かなものとなっています。

他にはこんな人もいました。

◆支神霊・ソルモニア
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大魔術師、アレイスタ・クラウリーが体系づけた72の使役神霊達。
召喚魔術によってこの概念世界に呼び出された者達です。
レリエル、エト・ミュルエのシナリオに登場しております。

◆人形・マリオネット
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生体人形。主に、他概念世界である、通称『機甲領域』からやってきた二次的生命体を指します。
ブリュンヒルド以外にも、『千蹴の鷹』などで雑務汎用型マリオネットの存在が確認されています。
内部構造は有機質でそこそこ人間と同等。希少存在です。

因みに『芯海の楽園』に登場するノエルはほぼ彼らと同じ存在と言っていいのですが、彼女はあくまで現世界で『芯なる者』に創造された存在ですので、人形の括りには入らず、分類としては亜人となります。

◆奈落の者
世界と世界の狭間を構成する混沌空間『奈落』。
生物ではなく、幾多無数の世界を生み出すための原初の領域。
『奈落』では、世界という生物が活動する為の前提環境など微塵も存在しません。故に並の存在がその混沌の渦中へと侵入すれば、瞬く間に個の境界、存在概念を呑まれて消滅し、各世界で名のある強存在でも、相応の護りなくしては自己を保つ事は難しいと言われる危険な場所です。

しかし、どういった理由に依るものか、その『奈落』で生きる事を許されたイレギュラーとも呼べる者達が居ます。
明確な形状を持たず、個たる意思も持たず、奈落を泳ぐ不定形の混沌存在達。それらを奈落の者と称します。

◆外なる者
奈落の者達と似て非なる存在。外なる空と呼ばれる世界で生まれたとされる者達です。
両者共に奈落を徘徊しているところからゲーム中では一緒くたに扱われがちですが、種としての方向性はかなり異なります。
奈落の者達は基本的に意思等を殆ど持たず、他の存在や世界に対する攻撃衝動のみを持っていますが、外なる者達は個体によっては明確な意思を持ち、中には人では到底及ばない高度な(狂気的な)知性を持つモノも存在します。
能力の方も奈落の者達とは大きく異なり、芯属を遥かに上回る力を持つ個体が多く存在します。
芯なる者達がこの世界から姿を消した理由がここにあります。


今回はこの辺で。